【 概 要 】−妙安寺は推古天皇の御代に聖徳太子が創建したと伝わる古寺で、創建時の宗派は三輪宗で寺号は葛城寺と称しました。三輪宗とは中国・東アジアの大乗仏教宗派の1つで日本には推古天皇33年(625)に高句麗出身の高僧、慧灌が伝えたとされます。これから推察すると、三輪宗が日本に伝わって間も無く聖徳太子によって当地に布教された事になります。その後、天福元年に親鸞聖人の法弟・成然(治承2年生まれ、常陸国稲田で親鸞上人の弟子となり親鸞の影像を授かったとされます。直弟子二十四輩の第6)が浄土真宗の寺院として再興しています。寺宝が多く、中でも「絹本著色聖徳太子絵伝」は室町時代初期に製作されたもので、聖徳太子の一生が掛け軸(縦150.4センチ、横32.8センチ)4幅にわたって描かれ、意匠的に優れ、保存状態もよく、当時の聖徳太子信仰の遺構として大変貴重な事から国指定重要文化財に指定されています。その他にも「聖徳太子木像(彫刻)」が昭和30年(1955)に茨城県指定文化財に、「絹本著色親鸞聖人坐像(絵画)」が平成17年(2005)に坂東市指定文化財に、「木造十一面観音立像(彫刻)」が平成17年(2005)に坂東市指定文化財にそれぞれ指定されています。
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